大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(う)1386号 判決

被告人 高橋文次郎

〔抄 録〕

弁護人の論旨第二点について。

原審弁護人衣笠武夫が所論追起訴に係る昭和二八年(わ)第八三号事件について特にその弁護人に選任された証跡のないことは所論のとおりであるが、同弁護人は右事件前に起訴せられた昭和二七年(わ)第三八三号事件につき被告人の妻高橋ちやうから選任されたものであるから、弁護人において特に異なる申述をしない限り右選任の効力が該事件と併合された右追起訴に係る事件に及ぶものであることは刑事訴訟規則第十八条の二の規定に照らし明白である。而して所論併合手続がなされた右第八三号事件の第一回公判調書と第三八三号事件の第四回公判調書とを調べて見ると、右両公判は同一期日に同一法廷で開かれたものであつて、その先後はなかつたものと認められるから、第三八三号事件の弁護人として選任されて立ち会つていた弁護人衣笠武夫は前記理由によつて当然第八三号事件の弁護人として適法に立ち会つたものというべきであるのみならず、右第一回公判では単に併合決定がなされたのみで何等事件を審理したものではないから、たとえ所論のように右第一回公判手続を観念上分別し、それが第三八三号事件の併合前に行われ同事件の為の弁護人選任の効力が右第八三号事件に及ばなかつたと仮定しても、何等同公判手続の瑕疵となるものではない。

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